工作機械関連 用語集

A~Z

AE ・ATC ・AWC ・CAM ・CBN

Gコード ・NC研削盤 ・NCプログラム ・V-V案内 

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は行

ま行

や行 わ行

ら行


AE・・・研削盤では、コンピューターを利用してCADモデルを活用してプログラム作成、自動化すること。


ATC・・・Auto Tool Chengerの略語。といし自動交換。


AWC・・・Auto Work Chengerの略語。ワーク自動交換。


CAM・・・研削盤では、コンピューターを利用してCADモデルを活用してプログラム作成、自動化すること。


CBN・・・ほう素と窒素からなる閃亜鉛鉱形結晶の人工合成材料。ダイヤモンドに次ぐ硬さ。


Gコード・・・NC研削盤および数値制御装置の機能モードを決める指令のコード。


NC研削盤・・・数値制御可能なNC装置を搭載した研削盤。工具経路、加工に必要な工程を数値情報として格納しておき、これに基づいて加工条件を作成して研削加工を制御する。


NCプログラム・・・NC装置で制御される工作機械やロボットの動作を指令するプログラム。


V-V案内・・・といし台、テーブルなどが摺動する案内面形状の1種。V形とV形により構成されており、キサゲ加工が施される。


アイドルタイム・・・動作可能時間のうち、研削盤が動作していない時間、待ち時間。


綾目(あやめ)・・・研削面に現れる交差状のしま模様。


粗研削・・・研削による粗仕上げをいい、粗研削ともいう。精密研削、精研削の前段階として行われ、加工面の品位よりも能率を優先する工程。


あり溝・・・案内面の溝が断面形状をしており、移動台の位置を水平および垂直方向に決められる溝の形状。


アンギュラ研削・・・円筒研削において、工作物に対してある角度に設定したといしによって、工作物の円筒面と端面を同時に研削する方法。


案内面・・・テーブルのすべり運動を行う基準面。形状は平形とV形およびその組み合わせが基本。案内面の構造としては、すべり案内、静圧油案内、転がり案内などがある。摺動面とも呼ばれる。


位置決め精度・・・指令目標値の位置と実際位置の最大差。


一般といし・・・ダイヤモンド、CBNの超砥粒ホイールに対して、従来からのA砥粒、WA砥粒、C砥粒、GC砥粒などの砥粒を用いたものを一般といしという。鉄鋼、非鉄金属、その他の研削加工に使用されるが、そのほか超砥粒砥石のツルーイング、ドレッシングにも使われる。


インプロセス加工・・・フィードバック制御で仕上げ加工中に測定し設定の寸法で加工を終了すること。


上型・・・鋳物の鋳造時に上側になる鋳型の部分。


上向き研削・・・アップカット。といしの回転方法と工作物の回転または送り方法(平面研削)が対向する研削方式。


液温自動調整機・・・クーラントの温度を管理する装置。クーラントタンクに付属される。


エンコーダ・・・長さや角度または位置をデジタル表示する装置。光電式と磁気式に分類され、スケールを直線状にして長さを認識するリニアエンコーダと角度を認識する円状にしたロータリエンコーダがある。


円弧補間・・・NC制御によってある位置から他の位置への移動方法を補間といい、円弧運動するように演算するものを円弧補間という。


遠心分離機・・・加工物の比重を利用して切子をろ過する装置。クーラントタンクに付属される。


円筒研削・・・円筒形の工作物の外周を研削すること。プランジカット研削、アンギュラ研削、トラバース研削などがある。


円筒研削装置・・・平面研削盤のテーブル上に設置して、簡易的に円筒研削加工を行うための装置。


円筒研削盤・・・主に円筒形の工作物の外周を研削する研削盤。


円筒度・・・円筒形体の幾何学的に正しい円筒からの狂いの大きさ。


オートコリメータ・・・対象物を高精度(0.1秒以下が可能)に読み取る測定機。測定データを処理することにより、研削盤の真直度、直角度、平行度、平面度などの精度測定が可能である。


オートローダ・・・研削盤のチャック、治具への工作物の取付け(ローディング)、取外し(アンローディング)を自動で行う装置。   


オーバラン・・・研削における左右方向の動きにおいて、といしが工作物からはみ出すこと、およびはみ出す長さ。


送りマーク・・・砥粒切れ刃による仕上げ面に残る研削痕模様。


オフセット量・・・指令値に対するずれ量。NC機では安全を見てあらかじめ見込まれた量をオフセット量として入力する場合もある。


外周振れ・・・といしの回転中心軸に平行した外周面の振れ。


加工精度・・・加工物を設計通りの寸法・形状・粗さに加工する際に生じる誤差の程度を加工精度という。要求される加工精度は、寸法公差や幾何公差、表面粗さなどで表現される。


加工物・・・被削材、ワークとも呼ばれる。


硬さ・・・加工物の傷つきやすさを規格化したもの。①押込み硬さ…ロックウェル硬さHR、ビッカース硬さHV、ブリネル硬さHBW、ヌープ硬度HKなど ②反撥硬さ…ショア硬さHSなど ③引掻き硬さ…モース硬度など  


カップ形といし・・・研削といしの形状分類の1つ。凹みのある側面を使用面とした円筒状のカップ形状のもの。 


可傾式チャック・・・工作物の設置角度を自由に設定できる機構をもつチャック。角度設定は回転軸にある目盛りで行う。 


気孔・・・といしの3要素の1つで、といしの中に存在する空間。切りくずの逃げを助ける役目をする。


気孔率・・・といし容積中に占める気孔容積の割合。


きさげ・・・スクレーパ(きさげ)と呼ばれる工具を用いて金属材料の表面を人力で加工する方法。接合部や案内面の仕上げに用いられる。案内面ではきさげ表面の凹凸が油溜まりの役割を果たし、摺動性や耐磨耗性に優れている。


機上測定・・・研削盤に測定装置を搭載し、機上で測定を行うこと。NCとの連携で自動測定と自動補正プログラムを作成することも可能。


幾何公差・・・位置関係の公差。


ギャップエリミネータ・・・といしの急速前進から粗研削移行時への空研削時間(ギャップ)を減少させるために,といし中のボンドあるいは砥粒と工作物との接触を検知して切込過程を変換するように工夫した機構。円筒研削に多く用いられる。


鏡面研削・・・研削加工によって工作物表面を鏡のような光沢のある面に仕上げること。一般的な粗さはRz<100nmの面粗度を指す。


切子・・・研削で発生する屑。砥粒・ボンド・被削材が含まれることが多い。


切込み・・・被削面(研削加工を施す工作物の加工面の表面)と仕上げ面との距離。一般的には粗・精で分ける。


切込み送り・・・単位時間あたりの切込み量、もしくはといし一回転あたりの切込み量。


切込み速度・・・連続切込みを行う円筒研削で、単位時間当たり切込み方向におけるといしの送り量をいう。


クーラント装置・・・研削油剤などのクーラントを供給する装置。


クラウニング・・・工作物表面を中高にし、当たりを中央に付ける研削。


グリース潤滑・・・軸受や案内面などの摩擦部分をグリースで潤滑すること。ほかの潤滑方法に比べて補器が不要であり機械装置の構造が簡単となる。


クリープフィード研削・・・といし切込み深さ、工作物低速度のもとに工作物を研削する方法。タービンブレード、油圧部品などの溝加工などに応用され、これによって精度の良い加工が能率よく実現できる。1パスでの高い削除量が得られるが、高い機械の剛性と適切な冷却液供給法に工夫が必要となる。


繰返し精度・・・同一条件で数回繰返したとき、それらの値のばらつきの幅を繰返し精度という。


クローズドループ制御・・・位置決め座標値に対して位置検出器で読み取られた現在地と比較、その誤差信号がサーボ増幅器で増幅されてサーボモータに与えられ、歯車、送りねじを介して位置決め駆動機構を作動、補正を行う。


クロスレール・・・といし頭を水平移動させるための案内面。コラム案内面に沿って上下移動できるものと固定のものがある。


形状精度・・・機械部品を形成する線、面などの形の狂い。真直度、平面度、直角度、平行度、真円度、円筒度、輪郭度など。形状精度の許容範囲を定めたものが幾何公差である。


けがき・・・仕上加工のために前加工の終わった工作物表面に後加工の基準となる中心線、穴中心、外形線などを描く作業。研削ではといしが加工物に接触したか確認するために上面にけがきを行う場合が多い。青竹とも呼ばれる。


結合剤・・・研削といしの3要素の1つ。砥粒と砥粒とを結合・保持する材料。種類はビトリファイド(V)レジノイド(B)ゴム(R)シェラック(E)シリケーと(S)メタル(M)の6種に大別される。


結合度・・・砥粒の保持の強さ。研削といしの耐減耗性の強弱の程度の段階。アルファベット文字の記号で示し、軟い結合度Aから硬い結合度Zで表示される。


研削・・・といしを高速回転させて工作物に切込ませることにより、といしの表面にある多数の不規則な形状をした砥粒の切れ刃によって、工作物から微小な切りくずを削り取って、工作物を所要の寸法、形状および仕上げる加工法。使用される砥粒がきわめて高硬度であることと、微小な切りくずとして材料を削り取るため、切削工具では加工が困難な難削材料にも適用でき、寸法・形状精度ならびに仕上げ面粗さの良い部品を加工することができる。


研削液・・・クーラント液とも呼ばれる。加工物とといしの間に介入させることで、潤滑性・冷却性・洗浄性・防錆性等の効果を与える。水溶性・油性が存在し、加工に合わせて変更する。


研削温度・・・研削点温度、といし研削点温度、工作物(平均)温度、工作物表面温度の総称。


研削加工精度・・・研削加工によって得られる精度。精度には寸法精度、幾何学的形状精度、表面粗さ、表面品位などがある。寸法精度としては指定された寸法公差内に収まっていることが要求される。幾何学的形状精度には、真円度、円筒度、真直度、平面度、直角度、平行度などがある。表面粗さには算述平均粗さ等が用いられる。表面品位としては加工変質層、研削焼け、研削割れ、スクラッチの有無などがある。


研削仕上げ面粗さ・・・各種表示法があるが、最大高さ粗さ、算術平均粗さなどが代表的。研削加工される表面の粗さは使用するといしの仕様、ドレッシング条件、研削条件などによって異なり、時間的に漸次増大する粗さによってといし寿命が決定される場合が多い。


研削速度・・・砥粒切れ刃による切りくず生成現象が生じる速度。といし周速度と工作物速度から決定する。


研削抵抗・・・工作物を研削するとき、といしにかかる力。研削抵抗は切込みや工作物送り速度が高いほど、高くなるが、工作物材質により大きく左右される。また、といし周速やといし直径、工作物直径、あるいはといし作業面状態によって研削抵抗は変わる。


研削熱・・・研削加工に於いて発生する熱量。研削時に費やされる単位時間当たりのエネルギU(W)は研削速度方向の分力Ft(N)およびその方向の砥粒と工作物の相対速度V(m/s)の積からU=Ft×Vとなる。研削熱が高いほど加工物への影響が大きくなり、精度に影響をする。 


研削能率・・・単位時間当たりの工作物の除去堆積。


研削盤・・・研削といしを高速回転させ、回転または直線運動する工作物に切込ませて、円筒や平面を精密に加工する工作機械を研削盤という。旋盤やフライス盤に比べより高硬度の工作物でも容易に加工することができる。研削加工の方式や工作物の形状に応じた研削盤がある。円筒研削盤、平面研削盤、内面研削盤、クリープフィード研削盤、芯無し研削盤、工具研削盤、ジグ研削盤、ねじ研削盤、歯車研削盤、カム研削盤、クランク研削盤などがある。


研削比・・・ある一定時間で研削して得られた工作物の除去体積をといし摩耗体積で除した値。


研削焼け・・・大気中の酸素との酸化反応によって加工表面に酸化膜を生じ、この層の成分や厚さによって様々な色調が発生する現象。


研削割れ・・・砥粒、といし通過直後の急冷却時に発生する焼割れ現象。研削割れは視覚的な意味で多く使われるが、物理的な規格が存在しない。


原点復帰・・・制御軸を原点に復帰させること。原点は機械固定点の1つで、始動のために用いられる点。NC機では機械座標系の確立後、工作物の加工のためのプログラム指令値と機械や工具の位置を対応させることが可能になる。


研磨加工・・・ラップ、ポリッシャ、といしなどに研磨剤や研磨液を介して工作物を擦り付ける加工操作の研磨法。


工具研削・・・さまざまな切削工具類の刃つけや刃とぎを研削加工によって行うこと。


工具鋼・・・金属材料または非金属材料を、加工または成形するための工具のほか、加工成形の治具用に用いられる鋼。


公差・・・規定された最大値と最小値との差。最大許容寸法と最小許容寸法との差を寸法公差(単に公差ともいう)といい、主として2点間測定による長さ寸法に対する規定。


工作物・・・加工される材料。被削材・ワークとも呼ばれる。


工作物温度・・・研削熱によって加熱された工作物の温度。


工作物研削面温度・・・といしと工作物の接触が離脱した時の工作物表面の温度。


工作物速度・・・研削される工作物の速度。円筒研削盤の場合は周速と呼ばれる。


硬度・・・被削材の硬さ。


高能率研削・・・高精度の仕上げ加工を目的とした精密研削に対し、加工量・加工能率に重点を置く重研削があるが、この中間的なものが高能率研削。


固定砥粒・・・結合剤で固定された砥粒のこと。研削といしや研磨布紙など。


コラム・・・ベッドまたはベース上に垂直に固定されて機械の本体を構成する柱。


コラム移動量・・・工作機械の制御軸となっているコラムの移動する距離。ストロークと呼ぶこともある。


コレットチャック・・・内面研削盤で多く使用される保持具。加工物のテーパ部を保持、すり割りの入ったスプリングコレットをねじで軸方向に移動させることにより、スプリングコレットを弾性変形させ、工具のシャンク部あるいは摩擦力で固定する。


転がり軸受・・・移動体側に設けた軌道と固定体側に設けた軌道の間に玉やころなどの転動体を介在させて体重を支持する形式の軸受。高剛性と高案内精度を得るために一般に予圧を加えて使用される。


コンセントレーション・・・超砥粒ホイール中に占める超砥粒粒子の割合。


コンタリング研削・・・NC工作機械で工具経路を加工物の輪郭に沿って制御し、所望の形状を高精度に削りだす加工法。


サーボ機構・・・機械的な位置、速度角度などの変量を指令に従って動かす制御系。


サーボモータ・・・位置や速度を精密に制御する電動機。サーボモータの構造は直流モータ、交流モータ(誘導機、同期機)、ステッピングモータでは検出器が不要である。サーボモータでは位置や速度などの検出器の信号を用いてフィードバック制御を行う。


サイクルタイム・・・動作可能時間のうち、研削盤が動作している時間、加工時間。ドレス時間や機内測定時間を含む場合もある。


最小設定単位・・・数値制御装置で指令できる最小単位。


サインバーチャック・・・可傾式チャックより高精度に角度設定ができるチャック。チャックとサインバーが一体化しており、ゲージブロックを用いて精密な角度出しを行う。


定盤・・・部品の検査あるいは組立作業において、基準平面として使用するブロックまたはテーブル。使用面はきさげ仕上げ、研削仕上げまたはラップ仕上げが施される。


サドル・・・案内面に沿って移動する役目をする部分。上面にはテーブルがのって左右に動くための案内面がある。


仕上げ研削・・・同一といしを用いて細密な表面を得る方法。切込みを小さくし、工作物送り速度を低下し、砥石速度を増大して切れ刃密度を向上する事が多い。


仕上げ面・・・機械加工を行って生成された工作物の表面。


仕上げ面粗さ・・・機械加工を行って生成された工作物の表面粗さをいう。


軸受・・・機械において回転運動や直線運動を行う部分に、運動方向には低摩擦特性を拘束方向には負荷を支えるための剛性を与える機械要素。すべり軸受、転がり軸受、静圧油軸受などがある。


軸付砥石・・・研削といしを保持し回転させるための柄をつけた小径の研削といし。内面研削盤に多く用いられる。


自生発刃・・・砥粒が脱落して隣接した新砥粒が自然と表面に鋭い切れ刃が発生する事。


下型・・・鋳物の鋳造時に下側になる鋳型の部分。


下向き研削・・・研削点においてといしの周速方向と工作物の速度方向が同じになる研削方式。


自動といし交換装置・・・といしを自動的に交換する装置。


自動バランス装置・・・研削といしのアンバランスを自動的に除去する装置。


シフトプランジ研削・・・研削位置をシフトしながらプランジ研削を繰り返す加工方法。


湿式加工・・・研削液などを使いながら加工する方法。潤滑作用、冷却作用、洗浄作用などの効果があり、といし損耗を減少することも出来る。注水タンク設備が必要で、廃液処理を行わなくてはならない。


湿式研削・・・研削作業点に研削液を供給して行う研削加工。、研削液を供給することにより研削抵抗や砥粒摩滅の低減、工作物の熱変形や研削焼けの制御、目づまりの防止などの効果がある。


重研削・・・切込み、切込み速度、送りあるいは荷重が非常に高い研削を一般に重研削という。クリープフィード研削もこの一種。


自由研削・・・切込み、送りなどの研削条件が一定でない黒皮むき、きず取り、ばり取りなどの研削作業。一般に粒度の粗いレジノイド砥石やビトリファイド砥粒を用いて研削が行われ、寸法精度や面粗さよりも能率に対する要求度が高いのが特徴である。卓上(床上)研削機、携帯用グラインダ、スイング研削機、ディスクグラインダなどの種々の専用機械を用い、手作業によって行われる。


周速度・・・回転体の周方向の速度、最外周の速度。


主軸・・・工作物またはといしを取付けて回転させる工作機械の軸。超精密工作機械では、空気静圧軸受や油静圧軸受で支持された主軸が使われる。


主軸台・・・工作物回転形の研削盤で、主軸、モーターを備えている部分。円筒研削盤ではといし台とも呼ばれる。


潤滑・・・摺動する2面間に添加し、表面に付着させてることによって摩擦を小さくしたり、焼き付きを防ぐ作用を持たせること。


潤滑装置・・・回転部分、移動部分に潤滑油を供給する装置。ポンプ、駆動モータ、タンク、フィルタ、制御弁などで構成した一体の装置もある。


ジョグ送り・・・手動によってあらかじめ定められた送り速度で送ること。研削盤ではハンドル操作よりもスイッチ類での操作が多い。


心押台・・・円筒研削盤のテーブル上で、主軸台の反対側にあり、工作物の一端を支える台。心押台は工作物の長さに合わせて手動または機動で移動させることができる。


靭性・・・砥粒の破砕に対する抵抗度。砥粒の本質的な強度と砥粒の形状に比例する。


芯無し研削・・・丸物の工作物をセンタ穴で支持することなく、工作物の外周を基準として支持刃と調整車によって支持し、主として工作物の外周を研削仕上げする加工方法。


真円度・・・円形形体の幾何学的に正しい円からの狂いの大きさ。


真直度・・・直線形体の幾何学的に正しい直線からの狂いの大きさ。


スクラッチ・・・加工表面に生じた線状のきず。蛍光灯下で観察できる深い傷をマイクロスクラッチ、平行光線下、顕微鏡下、エッチングなどの他の方法によりはじめて観察できる浅い傷をマイクロスクラッチと呼ぶ。


ステップ送り・・・トラバース研削において、といしをテーブルストローク毎に間欠的に平行移送させる方法。ステップ送りでは、といし平行移動量がテーブルストローク長さの影響を受けないため、加工条件が一定となり仕上げ面性状を制御しやすくなる。


スパークアウト研削・・・粗・精研削後に、火花がなくなるまで切込みを与えず研削すること。これを行うことによって滑らかな研削仕上げ面を得ることができる。送り条件を変更する場合もある。


スピンドル・・・といしや被加工材などを回転駆動させるための回転軸。大きく分けて接触方式、非接触方式の2種あり、前者はころがり軸受(ボールベアリングなど)によるもの、後者は気体軸受や流体軸受を使ったものである。静圧スピンドルは回転精度が高く、超精密加工に適している。エアスピンドルはエア圧力により、剛性がそれほど大きくできないが、油圧スピンドルやころがり軸受を用いたスピンドルは剛性が高い。


すべり軸受・・・相対すべり運動を行う軸受すきまに潤滑膜を形成して、その圧力によって負荷を支持する方式の軸受。動圧軸受と静圧軸受に分類される。静圧軸受は、高い回転精度や直線案内精度が得られることから、超精密加工機の主軸や案内面に採用される。


寸法精度・・・加工された工作物の長さ、直径、二つの穴の中心間距離などの寸法の正確さ。


静圧軸受・・・軸受外部に設けられた圧力源によって加圧された潤滑流体を強制的に軸受に供給し、そこに発生する潤滑流体膜の静圧力によって負荷を支持する軸受。一般的に超精密研削盤に採用される。


制御盤・・・制御用の計器類・スイッチ類を集中設備した部分。


成形研削・・・工作物の特殊な形状を得るために、といしに形状を付けて研削を行う研削方法。といしの成形には多彩なドレッサを採用することが多い。


精研削・・・粗研削のあとに行われる面を整える研削方法。一般的に粗と精研削の間にはドレス作業を行う。


精度・・・測定結果の正確さと精密さを含めた測定量の真の値との一致の度合い。


精密研削・・・粗仕上げ、精密仕上げの内の精密仕上げで行われる研削方式。一般的に粗研削よりも切込みを少なくした研削条件を設定して面を仕上げる。


切断研削・・・といしを高速回転させて切断を行う研削技術。薄いGC系砥粒での切断が多い。


セミクローズドループ制御・・・NCによる送りテーブルの位置決めに用いられるクローズドループ制御の1つ。フィードバック信号をテーブルの移動量からとるのではなく、駆動モータの回転数から得る形式。


セラミックス・・・一般的に酸化物、窒化物、炭化物、硼化物を主成分とした材料の総称。脆性材の為、DIAホイールでの研削方式が主流となる。超硬合金やサーメットと比べ、高温硬さが高く、切削熱による摩耗が少ない反面、靭性は低く、黒皮、切断切削では工具形状を考慮する必要がある。


セラミックといし・・・セラミック砥粒を用いた研削砥石。微結晶ごとに微小破砕や脱落を引き落こすため、砥粒切れ刃が平坦になりにくいが高能率研削や高硬度材の加工に向いている。


セラミック砥粒・・・化学合成によって作られる微結晶構造を有したセラミックの砥粒。砥粒の大きな破砕や脱落が起こりにくく、WAとCBN砥粒の中間として使用される。


センタ・・・円筒研削盤において、工作物を支持するのに用いる円すい形の鋼片。工作物の端面の中心に設けられた円すい穴にこの円すいの先端を押し込むことで工作物を支持する。


センタ穴研削・・・加工物の軸端に設けたセンタ穴を研削すること。


センタ穴研削盤・・・加工物の軸端に設けたセンタ穴を研削する研削盤。円錐状に修正したといしを用いてセンタ穴の研削を行う。


操作盤・・・数値制御装置の一部分で、各種の操作ボタンや表示装置が付けられている部分。機械付属式・自立式・ペンダント式が存在する。


組織・・・といし中の砥粒、結合剤、気孔の分布状態を表し、研削性能と密接な関係がある。


ソリューブルタイプ研磨材・・・水溶性の添加剤。水を研削液として利用する際に、研磨材の分散性、機械および加工物の防錆、加工熱に対する冷却効果を目的としたもので、水で希釈した時に半透明もしくは透明になる。


ダイヤモンドホイール・・・ダイヤモンド砥粒を用いた研削ホイール。ボンドは主にビトリファイド、レジン、メタルボンドや電着などの種類がある。


対話形CNC・・・対話形式でプログラムを作成できるCNC方式。プログラムを簡単に入力できるようにCNC装置の表示画面にガイダンスが表示される。


だれ・・・工作物の角の部分が塑性変形や過切込みにより,丸みを帯びた部分。


暖機運転・・・研削盤の電源投入時に暖機を行って姿勢を整える。寒冷地では機械熱変位が存在する場合もあり、精度を保つために暖機運転を行う。


多孔質といし・・・研削といしの気孔の状態についての状態の呼び名。大きな容積の気孔を多数持ち、組織が粗い。ポーラスとも呼ばれる。


多石ドレッサ・・・1個のシャンクに数個から数十個のダイヤモンド砥粒を取り付けたドレッサ。


脱落・・・研削中に砥粒がといしから砥粒単位で抜け落ちる現象。といし作用面における砥粒切れ刃の変化の一形態。


端面研削装置・・・円筒研削盤や内面研削盤に於いて、工作物の端面を研削するための装置。


超硬合金・・・WC(炭化タングステン)を主成分とする焼結合金で、切削工具や耐磨耗工具や金型の分野に使用されている。


チャック・・・工作物を保持するための装置。平面研削盤では磁気チャック、真空チャック等がある。円筒研削盤では爪の数により、2つ爪、3つ爪、4つ爪チャックと呼ばれ、それぞれの爪が単独に動くものを単独チャック、全部の爪が同時に動くものを連動チャックと呼ばれている。連動チャックには爪を同時に動かす機構や動力源により、スクロールチャック、油圧チャック、エアチャックなどがある。


テーブル・・・工作物を直接またはチャック等を用いて固定する台。固定台の形状により各テーブルと円テーブルに分けられる。


定寸加工・・・同一形状の工作物を所定の寸法公差で連続的に研削する自動量産の一方式。NC研削盤に搭載される機能。


適応制御・・・目標値や外乱の性質が変わったり、制御系のおかれた環境の影響をうけて制御系の特性が変化するような場合に、それらの変化に応じて制御装置特性をある所要の条件を満たすように変化させる制御方式。


電磁チャック・・・磁気チャック。ピッチが存在し、磁極が埋め込まれている。


電着・・・電気メッキ法を利用したといしの製造法であり、一般に電着特性が良好で結合組織が強いニッケルが用いられる。複雑な形状のホイールを製造する際に使用されることもある。


といし・・・砥粒、結合剤、気孔の3要素から構成される砥粒の工具で、この組み合わせにより様々な特色が発揮される。


といし研削点温度・・・研削といしと工作物の接触弧部分を研削点と呼ぶ。加工および摩擦に起因して、この研削点温度は熱が発生し加工物に残留、加工物や機械の熱変位の影響となる。


といし軸・・・といしを取付けて回転する軸。


といし寿命・・・といしの目直し後、研削加工の進行に伴ってといしの摩耗、破壊、逃げ面摩耗面積の増大、めづまり、めこぼれなどが発生するため、といしの研削能力が低下すること。研削性能が設定した基準まで低下した時点で再び目直しであるドレス作業を実行する必要がある。この目直しを実行するまでの時間をといし寿命・ドレスインターバルという。


といし周速度・・・回転するといしの外周面の接線方向の速度のこと。


といし台・・・といし頭および駆動装置を備えている台。


といし頭・・・といし軸を備えている部分。


といし覆い・・・研削といしの覆い、といしガードやといしカバーとも呼ばれる。安全性からといし覆いの材料、防護箇所、厚さなどの規格がある。


トラバース研削・・・といしの軸方向に送りを与えて行う研削。


トラバース速度・・・トラバース研削における、研削といしの軸方向の工作物に対する単位時間当たりの移動距離。


砥粒・・・高硬度の粒状または粉末状の物質の総称。


ドレッサ・・・ドレッシングに使用される工具。


ドレッシング・・・目つぶれや目づまりなどにより切れ味の鈍化したといし作業面の砥粒を削り落とし、新しい切れ刃を形成して切れ味を回復する作業。ダイヤモンドホイールやCBNホイールは一般WAといしを削ったり、またはGCといしや軟鋼を削ったりする方法がある。


ドレッシング間隔・・・前回のドレッシングから次回のドレッシングまでの時間のことを示す。研削といしの加工の進行に伴い切れ味が低下するため、仕上げ面粗さやびびり振動、焼けが発生し研削が継続できない状態となる。ドレスインターバルとも呼ばれる。


ドレッシング速度・・・ドレッサを用いてといし表面の目直しを行うドレッシング作業において、ドレッサをといしに対して移動させる速度。早いほどといし表面に与えられるダメージが大きく、鋭い切れ刃が生成される。


同時制御軸数・・・数値制御装置NCが同時に制御できる軸数。一度の指令で移動を行う場合『Gコード』と呼ばれるプログラム言語を用いるのが一般的。


同軸度・・・データム軸直線と同一直線上にあるべき軸線のデータム軸直線からの狂いの大きさ。


同心度・・・平面図形の場合で、データム円の中心に対する他の円形形体の中心の位置の狂いの大きさ。


中子・・・鋳物中空部を作るために、主型と別に鋳型を作り、主型の中空部にはめこむもの。


内面研削・・・穴の内周面を研削する加工方法。工作物をチャックで保持し回転させ、穴に砥石を挿入して研削する方式が一般的。穴径が小さい場合はといしが小さくなり、クイルの剛性が低くなりがちであり、都度設計が必要。またといし軸を高速回転させる必要があるので、振動を起こしやすいなど、特有の難しさがある。


内面研削盤・・・工作物の穴の内面を研削する研削盤。


難削材・・・切削が困難な材料の総称。一般的には、各種超耐熱合金、チタン合金、高マンガン鋼、ステンレス鋼、高級鋳鉄、焼入れ鋼、高シリコンアルミニウム合金、FRPやFRMなどの各種複合材料、セラミックスやガラスなどの硬脆材料、純鉄、純ニッケル、純チタンなど、切削を困難にする特性を有する材料。


ねずみ鋳鉄・・・鉄の中の炭素が黒鉛として存在している鋳鉄。鋳造しやすく、切削性、機械的性質が良いので多く用いられる。


バイアス送り・・・トラバース研削において工作物をといし軸直角方向に連続的に平行移動させる方法。加工条件が常に変化するため目的や状況に応じて注意して送り速度を選定する必要がある。


はめあい公差・・・穴と軸など、互いにはまり合う関係にある部位のはまり合う前の状態の寸法の差から生じる公差。


バランシング・・・研削といしをといし軸に装着し回転させたとき、アンバランス振動が生じないように、あらかじめアンバランスの修正を行う作業。機械外で行う手動天秤式、といし軸に取付けた状態で自動的に行うオートバランサー、フルオートバランサーがある。


バリ・・・加工物を加工するときに生じる薄いひれ状の余剰材料。研削でバリ除去を行う場合もある。


汎用工作機械・・・工作物の材料、大きさや形状を特に定めずに、1つの種類の加工で必要な形状、寸法につくる研削盤。ある定められた切削速度や送り量が選択でき、工作物の材料に適した研削条件を設定することが可能である。一般的に手動作業が出来るハンドルが搭載されている。


ピッチ誤差補正・・・NC研削盤において、送り系のピッチ誤差を補正すること。


ピッチング・・・テーブルなどの移動体が移動するとき、左右軸の回りに発生する縦揺れ。縦揺れの変化は角度で表し、計測にはオートコリメータが使用される。


ビトリファイドといし・・・粘土質の結合材を用い高温にて砥粒を結合したもの。


びびりマーク・・・研削加工中に発生する振動などによって、工作物表面上に残される模様のこと。激しい振動の場合には形状測定機などでびびりマークの振幅を測定することもできるが、実際にはこれら測定機では検出されず、目視評価上大きな問題となる場合が多い。


表面粗さ・・・代表的なパラメータとして、最大高さRz、算術平均粗さRaなどがあり、といしの粒度に比例する。


表面うねり・・・工作物表面全体からみると小さい間隔であるが、表面粗さよりも大きい間隔で繰り返される起伏。


表面処理・・・工作物の表面に硬質被膜,潤滑被膜,耐腐食被膜を形成させる処理方法。


振止め・・・円筒研削に於いて、長尺の円筒状工作物を加工する場合に使用する装置。自重によるたわみ、研削抵抗によってたわみを生じて、加工精度が悪くなったり、びびりが発生を防止するために使用する。


フランジ・・・といしをといし軸またはアーバーに取り付けるための取り外し可能な取付け具。


振れ・・・といしの外周基準として回転させた場合の振れ(最大値と最小値の差)。振れがある状態で研削を行うと加工面に影響する場合がある。


プロファイル研削・・・投影研削。加工物を拡大投影して研削を行う。


平行度・・・データム直線またはデータム平面にたいして平行な幾何学的直線または幾何学的平面からの平行であるべき直線形体または平面形体の狂いの大きさ。


平面研削・・・工作物の平面を研削する加工法。といし軸の方向とテーブルの形態・運動機能によって、横軸角テーブル形、横軸回転テーブル形、立軸角テーブル形、立軸回転テーブル形などに分けられる。


平面研削盤・・・平形といしの外周面または側面、カップ形といしまたはセグメントといしの端面を用いて工作物の平面を研削加工する研削盤。


平面度・・・平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさ。


ペーパーフィルター・・・ろ紙を利用して切子をろ過する装置。ろ紙にはメッシュが存在し、ろ過対象に合わせてサイズを変更する。使用する際は3~4枚に重ねて使用する事を推奨。クーラントタンクに付属される。


ベッド・・・機械の本体を構成する台。一般にテーブル、コラムなどを案内する案内面を備えている。


ポストプロセス加工・・・加工終了後に測定して測定の誤差を次の加工に反映させる測定方法。


補正研削・・・工作物の加工誤差の測定結果に基づいて再度加工を行い、加工誤差を修正すること。機上計測と組み合わせて実施されることが多い。


母性原理・・・工作物の加工精度はそれを生み出す研削盤の精度を越えることができない。加工精度限界を決定する原則を機械加工における母性原理という。


マイクロメータ・・・コの字型の金具の一端に取付けられた平行移動するねじと他端に固定されたアンビルとの間に試料をはさみ,工作物の長さ(厚さ)を測定する測定具。


マグネットセパレータ・・・磁力を利用して切子をろ過する装置。クーラントタンクに付属される。


溝研削・・・溝形状を加工する研削法の総称。といしに溝と同一の断面形状をもたせるために、複雑なドレッシング装置を必要とすることが多い。


目こぼれ・・・研削抵抗によって、といし作業面の砥粒の脱落が多く発生する状態。仕上げ面粗さが劣化するため、研削抵抗を減ずるように加工条件を設定するか、より硬い結合度のといしに変更することが必要。


メタルボンドホイール・・・金属粉をボンドの主体として砥粒とともに、600~1,000℃で焼成したホイール。ボンド自体の剛性、砥粒保持力が高く、形くずれしない特徴があるが、ツルーイング、ドレッシングを機上で行うことが難しい。


目つぶれ・・・研削時に砥粒に作用した力により砥粒切れ刃先端に摩滅が生じた状態。程度が小さい時には仕上げ面粗さが向上するが、程度が進むと、法線研削抵抗が非常に大きくなり、機械の振動、工作物の焼けなどの状態が生じる。


目づまり・・・切りくずがといしの気孔につまることで切れ刃の突き出しがなくなり、削れなくなる状態。研削温度の上昇に伴う仕上げ面品位の劣化などを招く。


遊離砥粒・・・砥粒が遊離状態にある状態。遊離砥粒を用いて加工する代表例は、ラッピング、ポリッシング、バフ加工、バレル加工、噴射加工など。


油温自動調整機・・・潤滑油・油圧油・冷却油の温度を管理する装置。


ヨーイング・・・テーブルなどの移動体が移動するとき上下軸の回りに発生する揺れ。オートコリメータでの測定値が多く使用される。


ワークレスト・・・円筒研削においてバーなどの長物の工作物のたわみを防止するために支持する台。


割出し装置・・・回転軸や回転テーブルを任意の角度に位置決めするための装置。


リニアモータ・・・高速送り、長距離送りから、ボールネジ系に比べ介在物が無いことによる高精度化や高速揺動などの効果がある。サーボ系の高ゲインをを確保するための制御技術、防塵防水対策や周辺機器の活用技術が必要となる。


粒度・・・砥粒の大きさとその分布を数値の段階で表したもの。数値が小さいほど砥粒径は大きくなる。


両面研削・・・対向する2枚の研削といしの間に工作物を通過させ、工作物の両面を同時に平面研削加工すること。主にバリ取り等の研削面が必要とされる粗加工に採用される。


ロータリダイヤモンドドレッサ・・・ロール外周面に適度な粒度のダイヤモンド粒子を埋め込んだ回転式のドレッサ。ドレッサを回転させながらといしに押し当て、ドレッサの形状をといしに転写する。


ロータリドレッサ・・・目立てのためのといしを強制駆動させるタイプの回転式ドレッサ。ドレッサを回転させることにより、ドレッサの磨耗を抑えることができる。


ロックウェル硬さ・・・押込み硬さの1つ。